離婚

離婚の理由

夫婦の関係が破綻し、離婚を決意される場合には、様々な理由が考えられます。勿論、両者が同意していれば協議の上、離婚届を出せば離婚は認められますが、離婚を求めても配偶者が反対した場合、離婚がなかなか認められないケースがあります。そのときに法的に認められる「離婚の理由」というものがあります。

  • 浮気・不倫などの不貞行為
  • DVなどの暴力
  • 悪意の遺棄(正当な理由のない別居などを含む)
  • 配偶者の生存が3年以上不明の場合
  • 配偶者の直る見込みのないような重度の精神病など
  • その他結婚生活を継続しがたい事由(モラハラなど含む)

これらが認められれば、配偶者が離婚に反対していても離婚が認められる可能性があります。

ですから、離婚をお考えで、配偶者がそれに応じなさそうな場合、上記の理由を持って協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚へと進むことになります。

離婚の種類と流れ

離婚の種類は上記で述べたものがあります。つまり、

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 審判離婚
  • 裁判離婚

です。

基本的には、まず夫婦で話し合い(離婚協議)、それでうまくいかないケースは調停委員が間に入って調整する離婚調停を行います。これは、「調停前置主義」と呼ばれる考え方で、いきなり裁判などにならないように法律によって定められた考え方です。離婚調停でもうまく進まなかった場合、場合によっては離婚審判を経ますが、大抵はそのまま訴訟により離婚裁判を受けることになります。裁判官からの判決を持って離婚の成立、あるいは不成立が決まります。

日本では、イメージとしては9割程度が協議離婚で成立しますが、残りの約1割は離婚調停に進みます。

離婚とお金

① 離婚慰謝料請求

離婚問題で大きな焦点となるものの一つが慰謝料です。離婚において慰謝料は必ず請求できるものではありません。例えば、DVや不貞行為など、一方に非がある場合にはそれに対して慰謝料を請求することも可能ですが、性格の不一致、価値観の違いと言った、一方に責任があると言い切れない場合には、慰謝料の請求は出来ません。

慰謝料額の相場は一概には言えません。婚姻期間の長さ、子供の有無、双方の社会的地位、財産分与の額に加え、離婚の原因を作った側(有責者配偶者)の責任度合いなどにより異なります。少し幅がありますが、100~300万円前後が多いようです。

なお、慰謝料の時効は3年ですので、その前に請求をする必要があります。

② 財産分与

ここで離婚の財産分与とは、婚姻期間に築いてきた財産を基本2分の1ずつに分与することを言います。

例えば夫が働き、妻が専業主婦であったとしても、夫婦で築いた財産と考え、夫に2分の1、妻にも2分の1の財産が分与されると言う考え方になります。ただし、特殊な技能によって財産を築いた場合は、修正されるケースもあります。

ここで、財産全てが財産分与の対象となるわけではありません。例えば、婚姻前から貯めていた預貯金や、婚姻中でも親類の相続によって得た財産などは、特有財産と呼ばれ、財産分与においては考慮されません。

また、別居してしまってから築いた財産については共同で築いた財産とは言えないとして、財産分与の対象には入れられないケースが多いです。ですから、結婚から別居までが財産分与の対象となる基本的な期間となります。

なお、財産分与の期間は、離婚したときから2年以内とされていますので、その前に請求をする必要があります。

③ 婚姻費用分担請求

離婚前に別居をしたとしても、夫婦であることに変わりはありません。その際、夫婦は婚姻費用(夫婦や子供が生活していくために必要な衣食住の費用、医療費、教育費、交際費などの生活費)を互いに分担すべきとされています。そこで、夫婦で話合いにより(婚姻費用分担協議)、婚姻費用の分担額を決定する必要があります。そして、その額を請求します。しかし、そこで合意できない場合、調停、審判へと進んでいきます。調停や審判などで決定されれば強制力が伴いますので、婚姻費用を分担しない場合、強制執行がとられるケースもあります。

なお、注意点としては、婚姻費用は調停などで請求を行ったときを起点として請求することになりますので、生活費を支払ってもらえない状態になったら直ぐに申立をする必要があります。お困りの方は当事務所の弁護士までご相談ください。

離婚と子供

① 親権と監護権

一般的に「親権」という言葉は知られていますが、「監護権」と言う言葉は知られていないかもしれません。

親権の内容は大きく二つに分けられ、「身上監護権」と「財産管理権」があります。

A) 身上監護権

子供の居所指定権、懲戒権、職業許可権、身分行為の代理権などを指します。子供の身体上の監督保護や、教育を行う権利義務(学校教育を受けさせる義務など)なども指します。

B) 財産管理権

子供の法律行為の同意権など、未成年の子供の財産管理、法律行為の代理・同意の権利義務を指します。

これらのうち、身上監護権のことをいわゆる「監護権」として、子供と一緒にいて世話をしたり教育を受けさせたりする親の権利義務のことを指します。

ですから、親権争いが起きた際に、例外的に監護権を一方の配偶者に渡すという方法をとることもあります。例えば子供が幼いため、母親が子供と一緒にいる「監護権者」となり、父親が財産管理等を行う「親権者」となると言ったケースです。この場合、子供は監護権者の母親と一緒にいますが、子供の戸籍は親権者の父親側となります。

離婚届には「親権者」の欄がありますが、「監護権者」の欄はありません。しかし、前もって監護権者がどちらなのか、協議離婚の場合は明確に書面で取り決めておくとよいでしょう。ただし、親権者は離婚時に決めておかなければなりませんが、監護権者は離婚の後でも構いません。また、両親以外の親類などが監護権者になることもあります。

いずれにしても親権者、監護権者の決定は、その子供の将来を左右する大切な決定となります。一方の配偶者の意見だけが聞かれて親権者が決まってしまうことの無い様、よく話し合う必要があるでしょう。しかし、話し合いがうまくもてない状況であれば、早い段階で弁護士に相談し、調停・審判などの対策をとる必要があると言えます。

② 養育費

養育費と言う言葉は良く知られていますが、養育費の定義は、子供が社会人として自立するまでに必要な全ての費用を指します。ここでは衣食住の費用、教育費、医療費、娯楽費などが含まれます。ここでの注意点は親権者もそうでないもう一方の親も、子供を扶養する義務を持っているという点です。離婚して親権がなくなったからといって、養育費を支払う義務など、扶養の義務がなくなるわけではありません。ですから、子供の世話をしていない側から子供の世話をしている側に、「養育費」として費用を分担して渡す必要があります。

ここで、養育費が離婚協議の話し合いで決まらない場合は、調停・審判・裁判へと進んでいきます。養育費についての調停・審判・裁判により決定された額を支払うことを怠った場合には、強制執行もあり得ます。その際、子供の生活がかかっていますので、養育費の強制執行の場合、滞納分だけでなく、将来し払わなければならない分も一括して強制執行することができるようになっており、また給与の差し押さえも通常は4分の1までとなっていますが、養育費に関しては2分の1まで認められています。非常に強い強制執行が行われることがありますので、調停・審判・裁判で決定された養育費の支払いは滞納しないようにしなくてはなりません。

養育費の相場については、夫婦の収入や子供の人数・年齢などにより異なります。一般的には「養育費・婚姻費用算定表」と言うものがありますので、この表をもとに算定されています。

養育費の支払いに応じてもらえないなど養育費の問題でお困りの方は当事務所までお問い合わせください。