離婚したら戸籍や苗字はどうなる?子供への影響と手続は?

離婚

 

1.離婚する場合、金銭面以外には「戸籍・苗字の変更」問題がある

これから離婚を考えるとき、「生活が一変してしまうのでは?」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。特にお子さんがいる場合は、子どもへの影響を最小限に止めたいと思うはずです。

離婚するときに、生活に関わる問題としては、養育費や慰謝料などの金銭面での問題もありますが、戸籍や苗字の変更による影響も実際はとても大きい問題です。そこで今回は、金銭面以外での離婚の問題に注目して、離婚の際の「戸籍や苗字の変更」についてご説明したいと思います。

(1) 苗字は絶対に変えないといけないの?

まず、離婚により苗字は変更しなければいけないのでしょうか。

夫婦は、婚姻するとどちらかの姓に統一しなければいけません(民法750条)。そして、結婚したことにより、苗字を変更した方は、離婚の際には、原則として、婚姻前の苗字に戻ります。婚姻前の苗字に戻ることを法律上、「復氏」といいます。しかし、生活上、離婚後もそのまま元夫の姓を名乗り続けたい方もいらっしゃると思います。

このような場合は、離婚成立の日から3ヶ月以内に、「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」という届け出を行えば結婚していたときの苗字をそのまま使い続けることができます。仮に3ヶ月経過した場合でも、「氏の変更許可の申立」(戸籍法107条1項)を行えば、婚姻時の苗字を名乗り続けることができます。

以上から、実際は「苗字を変更しなければいけない」ということはありません。元の苗字に戻すことも、元夫の姓を使い続けることもどちらも可能です。

(2) 離婚しても戸籍はそのままでいい?

では、離婚すると戸籍はどうなるのでしょうか。

まず、結婚をすると、実家の戸籍から結婚相手の戸籍に編入することになります。そして、離婚しなければいけなくなった場合、婚姻の際自らの籍に結婚相手が編入してきた場合はそのままで大丈夫です。

しかし、相手の戸籍に入った場合は、離婚によって除籍されることになります。つまり、そのままの戸籍に残ることはできないということです。離婚届の「婚姻前の氏に戻る者の本籍」を記載する欄に、離婚後の戸籍を記載しなければいけません。

このように、離婚が成立すると、婚姻時の戸籍から除籍されてしまいます。したがって、その後、別の手続が必要となります。除籍後の処理は、以下で見ていきましょう。

 

2.戸籍や苗字の変更方法

離婚の際、相手の戸籍から出て行く場合、その後の処理には2つの方法があります。それは、(1) 新しい戸籍を作る方法と、(2) 実家の戸籍に戻るという方法です。離婚を公にしたくない場合や、旧姓に戻りたい場合など、自分のケースに合った方法を選ぶことが大切です。

では、以下ケース別にみていきましょう。

(1) 離婚がばれるのが嫌!苗字を変えたくない場合は?

①新しい戸籍を作ると周囲にバレにくい

では、離婚がバレないようにするためのベストの方法は一体どんな方法なのでしょうか。

結論からいいますと、それは「新しい戸籍を作る」ことです。具体的にいいますと、離婚後、元の実家の戸籍に入るのではなく、自分だけの戸籍を作成することができます。この場合、好きな場所を本籍地とすることが可能です。この方法の利点は、戸籍を見た場合に一見して「離婚をしたことがわからない」ということです。

確かに、自分だけしか名前がない場合「何か事情があったのかな?」と気づく方もいるかもしれません。しかし、法律に詳しい方や実際に手続を毎日行っている行政事務の方でない限り、そこまで深く考える方はいません。このように、見た目でバレにくいことが大きな利点となります。場合によっては、新しい生活に前向きに踏み出すことができるというメリットもあるでしょう。

また、もう1つ大きな利点は婚姻時の苗字でも旧姓でもどちらの名前でも戸籍を作ることができるということです。したがって、離婚を公にしたくない場合には、新しい戸籍で夫の姓を名乗り続ける方法が良いでしょう。

②戸籍謄本を必ず自分で取りに行く必要がある

戸籍謄本を取得する際は、自分で取りに行く必要があります。戸籍謄本が必要になった場合、家族に代理で受け取ってもらうという方法は、よく使われている便利な方法です。しかし、独自に戸籍をつくった場合、家族に代理で戸籍謄本を取りに行くことを頼むことはできなくなってしまいます。この点に関しては生活面においては不便ですが、委任状さえあれば誰でも戸籍謄本を取りに行くことは可能ですので、大きなデメリットとはならないでしょう。

このように、離婚をバレないようにするためには、新しい戸籍を作る方法があります。この手続を踏むことにより、苗字は変更せず、周囲にバレる可能性も最小限に抑えることができます。

(2) 旧姓に戻したい場合は、元の戸籍に戻れる?

①実家の戸籍に戻る方法

もとの苗字に戻したい場合、「実家の戸籍に戻る」という方法があります。

元の戸籍に戻る場合、実家の戸籍に入り直すということになり、手続上は戸籍謄本を取り寄せることが必要になります。

しかし、実際の戸籍の記載を確認すると、結婚して戸籍を出たこと、そして離婚により再度戸籍に名前が記述されたことが×印で一目瞭然となります。離婚ごとに、戸籍上に×がつくことからバツイチという言葉が出来たこともうなずけます。また、元の実家の戸籍に戻る方法を採る場合、苗字は必ず旧姓に戻るため、婚姻時の姓を名乗り続ける方法を採ることはできません。

このように、もとの戸籍に戻ると、「離婚経験が×印で明らかになる」というデメリットがあります。もっとも、戸籍を元に戻す場合には、戸籍謄本を家族にとってきてもらうことができるため、便宜上のメリットはあるといえるでしょう。

②新しい戸籍で旧姓を選択する

実は、旧姓に戻すのはもう1つ方法があります。それは、先述した「新しい戸籍を作る」方法です。もっとも、苗字は「旧姓を選択する」ことになります。この場合でも、同様に旧姓を名乗ることができるので選択肢の1つといえるでしょう。バツ印が記載されないので、周囲にバレないというメリットもあります。しかし、上述したような戸籍謄本を家族に代理で取ってきてもらうという生活面のメリットは使えません。したがって、バツ入りを特に気にされない方は、元の戸籍に戻る方がメリットは大きいといえるでしょう。

このように、苗字を旧姓に戻すためには、「元の戸籍に戻る」という選択肢と「新しい戸籍で旧姓を選択する」という選択肢の2つの方法があります。子どもさんがいない場合には、便宜上のメリットを考えると元の戸籍に戻ることがベストとなる場合もあります。

 

3.子供にはどんな影響がある?

お子さんがいる場合は、戸籍や苗字の問題は親だけの問題ではありません。子どもの苗字や戸籍も変わってしまうことがあります。親権との関係で、子どもの戸籍や苗字がどう変わるのかについて、詳しくみていきましょう。

(1) 噂はウソ。親権によって戸籍は変わらない。

まず、子どもの戸籍はどうなるのでしょうか。

結論からいうと、離婚した場合、子どもの戸籍は結婚時の戸籍にそのまま残ります。

これは親権が妻になり、妻が新しい戸籍を編成した場合や実家の戸籍に戻った場合でも同じです。親権により戸籍が左右されるという噂もありますが、それは事実とは異なります。実際は、親権や監護権を得たとしてもそのまま何もしなければ戸籍は変わりません。

このように、子どもの戸籍は変更しない限り生まれたときの戸籍のままになっています。親権があるから戸籍も勝手に移動するというのは、単なる噂にすぎませんので、戸籍を変えたい場合は手続も行いましょう。

(2) 苗字は、何もしなければ結婚時のままになる

では、子どもの苗字はどうなるのでしょうか。

子どもの苗字も同じで、何もしなければ婚姻時の姓と同じ苗字となります。例えば、離婚の際に、妻が子どもの親権者となった場合でも夫の苗字のままとなります。母親が婚姻時の苗字を使い続ける場合は、苗字が子どもと同じになるので、生活上問題となることはあまりありません。しかし、母親が旧姓に戻した場合には、子どもと違う姓を名乗ることになります。この場合、「なぜ苗字が違うのか」といったことでお子さんやあなた自身が不快に感じることもあるかもしれません。

このように、子どもの苗字も戸籍と同じように婚姻時のままとなります。子どもとお母さんの苗字が異なるという状況になる可能性もありますので、理解しておきましょう。

(3) 子どもと同じ戸籍や苗字にする方法

①子どもと同じ戸籍や苗字にするには「氏の変更許可の申立」が必要

では、子どもと同じ戸籍や苗字にすることは可能なのでしょうか。

結論からいって、離婚時に旧姓に戻す場合でも、子どもと同じ戸籍や苗字にすることは可能です。具体的には、どちらの場合も「氏の変更許可の申立」という手続(戸籍法107条1項)を家庭裁判所にて行う必要があります。

実際に氏の変更が認められるためには「変更する必要性」を明らかにしなければいけません。もっとも、大きな理由が必要というわけではなく、「離婚で姓を変更するため、子どもと同じ姓を名乗りたい」と記述すれば大丈夫です。無事、氏の変更が許可された場合には、その旨の審判書が送付されてきます。これを市区町村役場に持っていけば、子どもの苗字と戸籍を変更したうえで、母親の戸籍に編入させることができます。

②元の実家の戸籍に子どもを編入させることはできない

母親が元の実家の戸籍に入った場合は、子供を母親の戸籍に入れることはできません。したがって、離婚後母親が旧姓を使い、子どもを同じ姓にするためには、母親に新しい戸籍を作る必要があります。新しい戸籍には、子どもを編入させることが可能です。

ちなみに、氏を変更するのは子どもとなりますが、子どもは法律上1人でこのような申請をすることはできません。したがって、母親が「法定代理人」として手続を代理することになります。

このように、母親と子どもの戸籍や苗字が異なる場合には、裁判所の許可が必要になります。そのままにしておいても、姓が別であることを気にしない方は問題ありません。気になる方は裁判所の許可手続をすることを検討してみましょう。

 

4.離婚を本気で考えるなら、弁護士に相談を

離婚の際に問題となる戸籍や苗字の話をご説明しましたが、これらの手続をスムーズにすすめる方法があります。それは、弁護士に任せてしまうことです。

離婚は当事者にとって、手続が面倒なだけでなく精神的にも負担の大きい手続です。離婚届を出すだけでは終わらず、離婚後の戸籍や苗字をどうするか、子どもへの影響をどう最小限にとどめるかなど、さまざまな決断が必要になります。また、実際の法律上の手続も、戸籍の編成、裁判所への申立など数多くあり、これら全てを1人で進めるのは、大変な労力が必要です。

したがって、法律上の手続をストレスなく行うためには、専門家に任せるのが一番です。弁護士に依頼する場合は、親権や養育費の問題、慰謝料請求の問題なども一挙に任せることができます。これ以外にも年金の分割手続などもあり、必要な手続を知らない方も多いので、専門家に任せる方が漏れなく行うことができます。

専門家に相談するとなると、費用面で心配の方も多いと思いますが、無料相談を受け付けている法律事務所もあります。したがって、まずは一度お近くの弁護士事務所に相談することをおすすめします。

離婚の際の重要な決断以外は、弁護士に任せてしまうこと。これが、離婚手続をスムーズに進める一番の近道といえるでしょう。

 

5.広島での離婚問題は、田中法律事務所までご相談ください

田中法律事務所では、離婚問題も含め、幅広く法律に関わるトラブル解決のため、弁護活動をしております。

離婚問題では、戸籍・苗字だけでも大変大きな問題ですが、慰謝料請求、養育費の請求、親権問題など、様々な問題が複雑に絡み、精神的にも大変なストレスを抱えるものです。

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